[原子力産業新聞] 2006年7月20日 第2340号 <3面>

燃料バンク構想が焦点に 9月 IAEA総会の特別行事

ウラン濃縮やプルトニウム分離といった、機微な原子力技術の入手の管理強化を行う新たな枠組みが、9月19、20の両日に開かれる国際原子力機関(IAEA)総会の特別行事の焦点となる。核兵器に転用可能な核物質の生産能力を持つ施設を多国籍管理下に置き、信頼できる核燃料供給を保証する多国籍の核燃料バンクを設ける構想が検討される。

「核燃料バンク」により、民生用原子力利用者は核物質の供給を保証される。「競争力ある市場価格で燃料が確実に入手できるようになれば、自国の燃料サイクルを望む諸国のインセンティブまたは正当性がなくなり、機微な燃料サイクル技術が拡散する懸念に対処できる」とエルバラダイIAEA事務局長はコメント。すでに米・ロ両国は、参加する意志を表明している。

核燃料バンク構想は、2005年に、濃縮、再処理、使用済み燃料貯蔵等に関する規制改善に向けて召集された専門家グループが提案したもの。この特別行事は、IAEA総会のサイドイベントとして、科学フォーラムに代わって開催される。


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