[原子力産業新聞] 2006年7月27日 第2341号 <2面>

RI・研廃報告まとまる 文科省部会 関係者一体の取組を

文部科学省のRI・研究所等廃棄物作業部会は20日、第12回会合を開催、処分事業は日本原子力研究開発機構が国や各事業者と協力して推進、必要資金は国が積立制度を策定・実施する、などを盛込んだ最終報告書をまとめた。また、過去に数次検討したものの、処分事業が実施されていない点を謙虚に受止め、関係者一体となった取組みが必要なことを改めて強調した。

最終報告書は同廃棄物を巡る状況、本作業部会で検討する廃棄物の範囲(浅地中処分相当)などを示した上で、処分事業等の実施体制、処分費用の確保、国民の理解増進及び立地地域との共生、安全規制、研究開発などについて、それぞれ方策を示した。

処分事業は原子力機構が国、廃棄物の発生者、集荷・貯蔵・処理事業者などと協力し、立地活動も含めて推進。国は円滑な事業推進のための環境整備に責任を持ち、処分事業者と一体となった立地促進のための自治体との連絡調整や広聴・広報活動を行う。

資金積立て制度は、すでに文部科学省が、拠出金方式と外部積立方式を中心に検討を開始した。来年度予算の概算要求にも同制度設立に必要な費用を盛込む方針。

一方、かなりの委員から報告書に盛込むべき、との意見が出された処分事業のスケジュールについては、現時点での提示は難しいとの判断から見送られたが、今後、資金積立て制度を構築するなかでスケジュールの目安を提示するとした。また、いわゆる二重規制への対応について、規制当局は安全確保を前提に手続きの合理的な対応等を検討すべき、としている。

報告書は最後に、廃棄物の適切な処分は健全な原子力利用の継続や発展に不可欠であり、処分事業が進展しない場合、研究開発や各種事業に大きく影響を及ぼすとの懸念を示し、処分事業実現に向け、関係者一体となった取組みを求めた。文科省は同報告書について近くパブリックコメントの募集を開始する。


Copyright (C) 2006 JAPAN ATOMIC INDUSTRIAL FORUM, INC. All rights Reserved.