[原子力産業新聞] 2006年8月3日 第2342号 <1面>

「もんじゅ」 燃料交換で事前了解願い 保守運営計画を修正

日本原子力研究開発機構は7月26日、「もんじゅ」(=写真)に装荷中の燃料の一部を取替えるため、福井県と敦賀市に安全協定に基づく事前了解願いを提出した。併せて08年2月頃に予定していた臨界を同5月頃に、臨界後の性能試験期間を従来の1年強から2年半に延長するなど、保守運営計画も見直した。

燃料取替えは、装荷中燃料のPu241がAm241に自然崩壊し、炉心の反応度が低下、臨界やその後の性能試験が困難との判断による。すでに経済産業省のもんじゅ安全性確認検討会に報告済みだが、今回、地元自治体に正式に申し入れた。

これに伴い来年7月頃から予定している臨界前のプラント確認試験に燃料健全性確認作業を追加、同確認試験の期間を従来に比べ、3か月程度延長した。198本の燃料集合体うち、78体を本格運転に備え保管してきた燃料に取替える。

臨界後の性能試験の期間も従来の約2倍に変更した。これまで臨界後順次、出力上昇試験の実施を想定していたが、炉心確認、40%出力、100%への出力上昇という3ステップの試験に分け、各ステップ毎に点検・評価・確認を実施することとした。40%や100%への出力上昇試験の前にも燃料取替えを行う予定で、この際には新たに製造する燃料も使用する。出力上昇試験の段階では現在装荷中の燃料の約80%を取替えることになるとしている。

装荷中や保管中の燃料は10年を越えてナトリウム中あるいは大気中に保管された状態にあるため、炉心の健全性を確認するとともに、最大約3wt%のAmを含有する燃料の融点、熱伝導度などの物性値も確認する。


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