[原子力産業新聞] 2006年8月3日 第2342号 <2面>

ダンジネスAのデコミ計画が認可 マグノックス炉 閉鎖計画、順調に進む

英原子力施設検査局(NII)は7月25日、英原子力廃止措置機関(NDA)が所有しブリティッシュ・ニュークリア・グループ社(BNG)が運転しているダンジネスA発電所のデコミ計画を認可した。これにより同発電所は予定通り今年末で閉鎖され、デコミ作業に移る。同発電所は出力28万5,000kWのマグノックス炉2基で構成されており、1、2号機ともに1965年に営業運転を開始した。

計画では2009年までに2基の燃料を取り出し、再処理のためセラフィールドに移送。2021年までに原子炉建屋を除くすべての機器・建屋が解体撤去され、2111年までに発電所全体の解体撤去を完了する。

これに先立つ7月20日、NDAは同じマグノックス炉であるウィルファ発電所(56万5,000kW×2基)を運転延長せずに、予定通り2010年に閉鎖すると発表した。NDAは、同発電所の運転を延長する場合、バックフィット作業に1億ポンドが必要になるだけでなく、セラフィールドのマグノックス燃料再処理施設や周辺支援施設の操業も延長することになり、セラフィールド・デコミ計画に支障を来たすと指摘。また、同発電所用のマグノックス燃料を生産するスプリングフィールド燃料製造施設も閉鎖準備を進めており、計画の変更は時間と資金の多大な浪費となると結論した。

その他のマグノックス炉の閉鎖予定時期は、サイズウェルA1、2号機が今年末、オールドベリー1、2号機が2008年。マグノックス炉は、英国の原子力開発初期段階の1950〜1960年代に開発された炭酸ガス冷却型炉(GCR)で、NDAが所有している。英国が世界に先駆けて実用化したが、軽水炉と比べて経済性が低く、老朽化も進んでいることから、マグノックス関連の燃料製造施設や再処理施設なども含めてすべて閉鎖される予定である。


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