[原子力産業新聞] 2006年8月3日 第2342号 <7面>

「美浜3技術評価は妥当」 高経年化対策と耐震安全 保安院が安全委員会に報告

原子力安全・保安院は7月27日、関西電力美浜原子力発電所(=写真)3号機の高経年化技術評価の審査結果を原子力安全委員会に報告、@高経年化技術評価の実施体制等A経年劣化事象ごとの技術評価B耐震安全性の確保――について、いずれも事業者による技術評価、保全策は「妥当」とした。

美浜3号機は12月に運開30年を迎えることから、関西電力は1月に、同機の高経年化技術評価、これに基づく10年間の長期保全計画を策定し、経済産業省に提出した。また、保安院では昨年8月、報告書「実用発電用原子炉施設における高経年化対策の充実について」をとりまとめた上、新たな実施ガイドライン、審査要領を発出。これに基づき、東京電力・福島第一3号機と中部電力・浜岡1号機の高経年化技術評価について審査を行うなど、より透明性・実効性ある高経年化対策を打ち出している。

今回、新ガイドラインによる先行2基の審査を踏まえ、関西電力は4月に高経年化技術評価修正版を報告し、これに対して保安院が審査を実施した。応力腐食割れ、配管減肉といった経年劣化事象ごとの技術評価と、それら個々の事象から抽出した追加保全策をまとめた長期保全計画について、保安院は「妥当」と評価し、今後、定期検査等でその実施状況を確認していくこととしている。

保安院の報告を受け、鈴木篤之・安全委員長は、今後多くの原子力発電所が運開30年を迎えることから、「プラントの個性を踏まえた」高経年化対策を講じていく必要を指摘した。


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