[原子力産業新聞] 2006年8月3日 第2342号 <8面>

[わが国の原子力発電所運転速報]7月利用率は74.6%、PWRが好調 高浜全号機が利用率100%超

日本原子力産業協会の調べによると、国内原子力発電所の7月の平均設備利用率は74.6%と、昨年夏季並みの水準となった。PWRの平均は86.0%で、BWRの平均は67.4%にとどまった。

総発電電力量は、275億3,278万3,000kWh、電力各社の各発電炉の稼働状況、炉型別・会社別の設備利用率は、表に示す通り。

日本原子力発電の敦賀2号機は6月30日に、定期検査に伴う停止から調整運転を開始したものの、二次系の復水流量を調整する脱気器タンク水位制御弁に不調が認められたため、翌1日に原子炉を停止した。その後、当該弁に所要の対策を講じ健全性を確認した上、13日に運転を再開。

その他、定検停止していたプラントで、東京電力の福島第一3号機、同福島第二1号機、同柏崎刈羽3号機、四国電力の伊方3号機が7月に、戦列復帰した。

7月は、計30基のプラントで設備利用率が100%以上に達し、関西電力の高浜発電所では1〜4号機がそろって利用率100%超を記録、同4号機が103.3%で全発電炉中最高となった。北海道電力の泊発電所、九州電力の川内発電所でも、1、2号機がそろって100%超の利用率をマークするなど、殊にPWRで好調な稼働状況だった。

一方、東北電力の女川3号機は、原子力安全・保安院による配管肉厚管理の指示を受け、点検のため発電を停止、同じく減肉事象に関する5月の点検停止から引き続き定検となっている同2号機と、昨夏の大地震以来止まっている同1号機と合わせ、女川発電所は7月中に、全プラントが発電停止となった。


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