[原子力産業新聞] 2006年8月10日 第2343号 <1面>

原子力委員会 経費見積り方針への見解示す

原子力委員会は8日の定例会議で、各省庁の来年度原子力関係経費見積り方針に対する見解を取りまとめた。FBRサイクル技術開発などへの重点的投資を求め、長半減期低発熱放射性廃棄物(TRU廃棄物)やRI・研究所等廃棄物処分関連を従来の着実に取組む事項から重点的に取組むべき事項に格上げ、食品照射への取組みの予算への反映も求めた。

原子力委員会は5月23日に経費見積りの基本方針を関係省庁に通知、先月20日と25日には同省庁から概算要求の方針をヒアリングした。今回の見解はこのヒアリングを踏まえたもの。安全確保、立地共生、廃棄物処分、原子力発電の戦略的推進、放射線利用、国際対応、人材の7項目で基本方針に照らし見解を示した。

重点事項の中で、一段の配慮を求めたのはFBR技術開発の推進、電源立地地域対策交付金制度の改良・改善、食品照射に関する取組みの推進など。FBR技術の研究開発については、大規模かつ長期的な支援が必要であるため、重点的な投資を行うべきとする基本方針を考慮されたいと、文科省と経産省に求めた。

交付金制度では周辺を含めた地域の広域的発展や持続的発展を誘導する工夫への考慮を要請。また、食品照射を衛生確保等の技術の選択肢とできるようにする観点から、必要な取組みを関係各省に求めている。


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