[原子力産業新聞] 2006年8月31日 第2345号 <3面>

カナダ ブルース・パワー社 サイト準備認可を申請

ブルース・パワー社は17日、ブルース原子力発電所サイトを対象とした「サイト準備認可」を、カナダ原子力安全委員会(CNSC)に申請した。CNSCは今年2月に原子力発電所の新規建設に向けた新しい許認可手続きを発表したばかりで、今回の申請が初の適用案件となる。

カナダ唯一の民間原子力発電会社であるブルース・パワー社は、ブルースA−3、4号機(各80万5,000kW)、ブルースB−1〜4号機(各84万kW)の計6基を運転しており、オンタリオ州の電力の2割以上を供給している。しかしうち5基は2015〜2020年頃に大規模な改造もしくはリプレースが必要になると見込まれている。

ブルース・パワー社のD.ホーソン社長兼CEOは「実際に建設に着手するかどうかは、まだ先の話」としており、同社は今後、経済性などの面から、@改造工事AリプレイスB既存炉の改造+増設――の3つのオプションを幅広く検討する見込み。

オンタリオ州政府は今年6月、既存原子力発電所の運転期間延長やリプレイスを盛り込んだ「包括的電力供給計画」を策定する方針を示した。今回の「サイト準備認可」申請は同州政府の方針に沿ったものといえる。

CNSCは今後、新しい許認可手続きに従って、一般市民からの意見を聞きながら環境影響評価(最短でも約3年)を実施する。環境影響評価の結果が良好だった場合、「サイト準備認可」が承認され、ブルース・パワー社はその段階で初めて、建設認可を申請することが出来る。

同社はこのほかにも、経済性の低迷により長期運転休止中のブルースA─1、2号機の運転再開準備も進めている。CNSCは先月、両機の運転再開などにともなう環境影響評価報告書を承認しており、両機は早ければ2009年にも運転を再開する見込みだ。


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