[原子力産業新聞] 2006年8月31日 第2345号 <4面> |
東北電力 品質保証の総点検報告 保安院と地元に提出東北電力は23日、原子力品質保証体制総点検に関する報告書を原子力安全・保安院や地元自治体に提出した。問題点として経営層の安全文化に対するリーダーシップ不足、環境変化に対応した投入資源不足などを抽出。対策として本年を「原子力発電所の品質保証に係わる意識改革元年」とし、原子力考査室の新設など17項目の対策を打ち出した。 総点検の対象事象は配管肉厚管理の不徹底、女川3号機定期安全管理審査のC評定、東芝製流量計問題への不適切な対応、女川2号機の制御棒の入れ違い、トーラス室での漏えいなど。同社では7月11日に原子力品質体制総点検委員会を設置、各事象の原因や組織的背景を検討してきた。 組織に係わる問題点としては、@トップマネジメントの方針に対する重要性の認識不足Aトラブルに対する危機意識の低下B調達業務の管理意識の低下C東通との2サイト体制や新検査制度など環境変化に対応する適切な体制構築と資源投入不足D慣行優先の業務運営―などを抽出。 対策として経営方針における安全最優先の明確化、品質方針の抜本的改正、内部監査強化のための原子力考査室の設置、原子力品質保証室の新設、情報伝達ルートの明確化、人的資源の適正配分の検証、原子力安全推進会議の充実など17項目の実施を掲げた。これらの対策の実施状況や実効性は総点検委員会で引続き検証する。併せて9月1日付で斎藤恒夫副社長が火力原子力本部長に就任する人事も行い、全社一丸となった改革を進める。 同社は保安院から今月7日までに同報告書の提出を求められていたが、配管減肉の点検範囲の拡大などのため、提出期日を延期していた。 |