[原子力産業新聞] 2006年9月7日 第2346号 <3面>

米国 TXU社 08年にCOL申請へ 共同出資を呼びかけ

コマンチェピーク原子力発電所(=写真)を所有・運転しているTXU社は8月31日、2008年をメドに米原子力規制委員会(NRC)へ建設・運転一体認可(COL)を申請する計画を発表した。1〜3サイトを対象に、200万〜600万kWの原子力発電設備容量の新設を目指す。

TXU社の計画では、2008年10〜12月にCOLを申請し、2010〜2011年にCOLを取得。2015〜2020年に初号機の運開にこぎつけたい意向だ。

建設サイトや採用炉型は未定だが、年内には決定する予定。TXU社は建設候補サイトとして、既存のコマンチェピーク発電所(ウェスチングハウス社製PWR×2基)サイトや、過去に原子力発電所建設サイトとして候補に上がったサイトを、比較検討する方針だ。また炉型については、ゼネラル・エレクトリック社、ウェスチングハウス社、アレバ社などと具体的検討を開始している。

TXU社は一方、原子力発電所建設に係るコストが巨額かつ長期にわたる点に言及。「コストを最適化するソリューションを追求する」として共同出資者を募る方針で、すでにコロラド川下流開発公社(LCRA)やCPSエナジー社(テキサス州サンアントニオ市)などと協議を開始している。ほかにも公営の電力会社や自治体に出資を呼びかける方針だ。またTXU社は、2005年エネルギー政策法に規定されている「発電税控除」「リスク保険」「連邦政府による債務保証」などの適用も狙っている。

TXU社は総計910万kWの石炭火力発電容量の開発計画も発表しているが、テキサス州の電力需要はTXU社の計画する石炭火力増設分も吸収する勢いで伸びると見込まれている。テキサス電力信頼度協議会(ERCOT)は「2013年までには州内の電力供給の安定性を維持できないレベルになる」と予測している。

またテキサス州は天然ガスへの依存度が高く、以前から天然ガス依存度の低減が課題となっている。

こうしたことからテキサス州では、長期的な解決策として原子力発電が注目を浴びている。


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