[原子力産業新聞] 2006年9月7日 第2346号 <3面> |
オーストラリア サイレックス社 燃料サービス事業進出を提言オーストラリアのサイレックス・システムズ社は8月25日、「核燃料サービス分野にも参入すべき」とする申し入れ書を、原子力に関する政府タスクフォースに提出した。 オーストラリアは世界最大のウラン埋蔵量を誇り、採鉱・製錬分野には力を入れているが、それ以上の燃料サービスは実施していない。同社は申し入れ書の中で、「ウラン資源を最大限に活用するために、転換・濃縮・加工など核燃料サービス分野に参入すべき」と主張。地球規模の原子力ルネサンスがウラン資源や燃料サービスの需要を高め、オーストラリアを世界屈指の核燃料産業国に押し上げる可能性があると指摘した。 また同社は、原子力発電所における燃料コストの内訳(採鉱・製錬35%、転換5%、濃縮40%、加工20%)を示し、燃料サービスを提供しない場合、オーストラリアは2015年までに年間20〜30億ドルの外貨収入を失うと強調した。 そして今後の課題として、@原子力に対する二大政党(自由党と労働党)からの支持A核不拡散の保障措置や原子力安全のための法規制整備B原子力分野の人材育成C原子力施設の立地点などインフラ整備――などを挙げた。 政府のタスクフォースは、同国の長期エネルギー戦略を見据え、ウラン生産から原子力発電、核燃料サイクルまで総合的に検討するもので、ハワード首相が今年6月に設置。年内に最終報告書を作成することになっている。 |