[原子力産業新聞] 2006年9月14日 第2347号 <2面> |
IAEAが安全規制調査結果 核物質輸送規制を高く評価IAEAが昨年実施した「輸送安全評価サービス」(TranSAS:トランザス)の報告書がこのほどとりまとめられ、わが国の包括的な法的枠組みが、放射性物質の輸送規則を執行する上で健全な基盤を提供しているとして評価された。わが国の規制当局がIAEAによる国際的評価を受けたのは初めて。 TranSASは、加盟国における放射性物質輸送の安全規制の実施状況を評価するミッションで、99年よりこれまで、スロベニア、ブラジル、英国、トルコ、パナマ、フランスで実施されている。今回の報告は、昨年の12月5〜16日に日本原子力発電・東海第二発電所、原燃輸送、三菱原子燃料、成田空港などを視察し、核燃料物質と放射性廃棄物の道路・海上輸送を重点に調査し、評価を行ったもの。 報告書によると、輸送緊急時対応で、茨城県オフサイトセンターと原子力緊急時支援・研修センターの設備・システムが他施設の模範として「良好事項」に上げられているほか、原燃輸送の船舶追跡システムなど、特に海上輸送について高い評価が得られている。 一方、規則の整理、品質マネジメントなどで改善の余地も幾つか指摘されており、原子力安全委員会は7日、今回の評価報告を受けて、放射性物質安全輸送専門部会でこれらの検討を開始することを確認した。鈴木篤之・安全委員長は、これまでのTranSAS実施国に劣らぬ良好な結果に留まらず、粛々と輸送安全の向上に努めていくことを求めた。 |