[原子力産業新聞] 2006年9月21日 第2348号 <2面> |
がん医療機器の懇談会が始動 経産相が挨拶経済産業省は6日、革新的ながんの診断・治療機器の開発と、その医療現場への迅速な普及をねらいとして、医療機関、医療機器メーカー他からなる懇談会を立ち上げた。検討開始に先立ち、二階俊博・経産相が挨拶に立ち、7月に決定された「経済成長戦略大綱」を手にして、経済産業行政の一環として、文部科学省、厚生労働省とも連携しながら、対がん戦略に取り組んでいく考えを表明した。 経産省は、医療機器の国内外市場、ニーズの現状とともに、今後の展望として、分子イメージング機器や次世代加速器を使用した薬物送達システム型の治療装置などを説明。出席メンバーからは、早期診断の重要性、生活の質(QOL)向上の観点から、医療機器開発の意義が述べられる一方、専門・高度化した機器を扱う人材不足から教育の充実や、成果の医療現場への普及に向けて、薬事行政との連携などを訴える声もあった。 また、市場では現在、特に治療機器で輸入品のシェアが非常に高いことから、日本のロボット技術等、強みを活かし、産学の協力により国際競争力の強化を図っていく必要も指摘された。 本懇談会には、医療機器製造・販売では、アプリシア、島津製作所、東芝メディカルシステムズ、テルモ、三鷹光器の各社長らが、医療現場からは、尾形裕也・九州大学医学研究院教授、橋爪誠・同教授、梶谷文彦・川崎医療福祉大学医療技術学部教授、垣添忠生・国立がんセンター総長が、また、自身の闘病経験に関する作品も発表しているエッセイストの岸本葉子氏が参画する。 |