[原子力産業新聞] 2006年9月21日 第2348号 <3面>

欧州委員会 「競争を阻害しない」 東芝のWH買収承認

欧州委員会は19日、東芝によるウェスチングハウス社(WH)の買収を承認した。ただし燃料分野での競争阻害を回避するため、グローバル・ニュークリア・フュエル社(GNF)における東芝の契約内容は変更されることになる。

欧州委員会は、東芝のWH社買収を「技術面および地政学的に補完的なもの」とし、BWR技術を持ちアジアを地盤とする東芝と、PWR技術を持ち欧米を地盤とするWH社の合併に対し、基本的に理解を示した。

また両社の合併後も、米ゼネラルエレクトリック社(GE)や仏アレバ社などの強力なライバル他社が存続することを指摘し、欧州の原子力産業界における競争関係は継続するとした。

一方欧州委員会は審査段階において、燃料集合体の供給分野に着目。世界の3大供給者であるWH社、GNF社、アレバ社のうち、東芝が2社に参画することで公平な競争関係が阻害されることを懸念した。しかし東芝がGNF社における契約内容を見直すことを欧州委員会に申し入れたため、申し入れの履行を条件に買収を承認した。

GNF社はGE社のライセンスを使用してBWR燃料を製造する合弁会社。GE社が51%、東芝と日立がそれぞれ24.5%ずつ出資している。WH社はBWR燃料も含むあらゆる核燃料を製造している。


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