[原子力産業新聞] 2006年10月5日 第2350号 <1面>

原子力発電投資環境整備小委 初会合を開催、早期に制度設計へ 第二再処理等の積立制度を検討

総合資源エネルギー調査会電気事業分科会の原子力発電投資環境整備小委員会(委員長=金本良嗣・東大院教授)は4日、初会合を開催(=写真)、第二再処理工場の費用や新設炉の初期投資を平準化するための積立金制度の検討を開始した。

同小委員会は、先月4日の電気事業分科会が設置を決めた。主な審議事項は、再処理費用計上の適正化と初期投資負担の軽減・平準化。

再処理費用は第二再処理工場建設を前提に、この費用の企業会計上の措置について、費用計上の適正規模や具体的な制度設計を検討。初期投資も平準化のための措置について具体的な制度設計を検討する。すでに、両事項は、今年度決算から引当金として積立てる制度の導入が原子力部会報告書「原子力立国計画」に盛り込まれている。

今会合では、エネ庁が「原子力立国計画」におけるこの問題の検討状況、現行の使用済み燃料再処理等引当金制度(六ヶ所再処理分)について説明。委員からは「初期投資とバックエンド費用とは性質が異なり、それを踏まえた検討が必要」、「どの程度の平準化が妥当かを検証すべき」、「会計、原価、税制に分けた議論が必要」などの意見が出された。

同委員会は、クリアランス制度や廃止措置の安全規制整備を踏まえ、現行の原子力発電施設解体引当金制度も検証。次回は初期投資平準化の算定方法、対象設備、既着工工事の扱いなどを検討。

委員は内山洋司・筑波大院教授、大日方隆・東大院助教授、佐々木弘・神戸大名誉教授、田中知・東大院教授、松村敏弘・東大教授。オブザーバーとして東京電力の武藤栄・原子力・立地副本部長、関西電力の廣江譲・企画室長が参加する。


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