[原子力産業新聞] 2006年10月12日 第2351号 <4面> |
三菱重工・三菱電機 PWR 国内初の全デジタル方式 総合制御システムが完成 北電・泊3号向け三菱重工業と三菱電機は北海道電力・泊発電所3号機向けに、PWR発電所用では国内初となる全デジタル方式総合制御システム(=写真)の製作を進めてきたが、このほど完成した。来月から出荷、09年12月に運転開始の予定。 総合制御システムは運転を監視する中央制御盤、安定運転のための運転制御システム、異常状態を検知し自動的に原子炉を停止する安全保護システムで構成。両社はこれまでも信頼性向上や運転員の負担軽減などを主要コンセプトに、デジタル式中央制御盤、四重化したデジタル式安全保護システムなどを開発してきているが、今回、これらの技術を集大成した。 中央制御盤はタッチパネルによるソフトオペレーションを全面採用、機器の操作スイッチとその操作に必要な運転情報を一画面内に表示可能。万一、プラントに異常が発生した場合、機器の動作状況を自動的にチェック、必要な情報を提供するなど、運転員支援システムも搭載した。従来の中央制御盤に対し、大きさも約50%削減。運転員の負担は約30%削減できるという。 運転制御システムでは電源系統を含めて演算部を二重化構成とし、自己診断機能を改善することで運転信頼性を向上。安全保護システムでは独立した全四重化システムとして安全性をさらに高めた。また、全デジタル化で光ネットワークと接続が可能となり、従来は現地でしか実施できなかった総合制御システム全体の組合せ試験の出荷前実施が可能となり、三菱電機電力システム製作所(神戸)において、これを検証した。 |