[原子力産業新聞] 2006年10月12日 第2351号 <4面>

富士電機 配管減肉検出器を開発 保温材外から測定可

富士電機システムズは、保温材を撤去せずに配管肉厚の測定が可能な配管減肉検出装置を開発(=左図)、今月から同装置を使用した減肉調査サービスを開始した。

現在の肉厚測定の主流は超音波パルス反射法だが、同社の装置は放射線透過方式。配管を挟み放射線源と測定装置を取付け、放射線が透過した配管壁の合計の厚さを減衰率に基づいて算出する。保温材、外装板による放射線の減衰率は厚さ・密度の設定により補正可能で、保温材を取り外す必要がない。配管内の水も同様に補正できるため稼働中のプラント、すなわち定期点検前の調査が可能になる。可能測定点の違いや経年変化に基づくスクリーニングにより肉厚測定の効率向上、費用軽減も期待できる。

使用する放射線源は低レベルで、装置を小型・軽量化しており高所や狭い場所への対応も可能。表示付認証機器のため、放射線取扱主任者などの資格や特別な管理区域の設定も不要。測定可能な配管は肉厚50mm以下、保温材付外径が710mm以下の80A〜500A。すでに実際の発電所での実証実験で検出精度を検証したという。

同社では3年後に年間3億円の売上げを目指しており、将来は装置の販売やトレーニングの事業化も検討する。


Copyright (C) 2006 JAPAN ATOMIC INDUSTRIAL FORUM, INC. All rights Reserved.