[原子力産業新聞] 2006年10月12日 第2351号 <4面>

千代田テクノル ガラス線量計 仏研究所から全面受注

千代田テクノル(細田敏和社長、本社・東京都文京区)は、フランス放射線防護・原子力安全研究所(IRSN)から新放射線測定システムを受注した。IRSNは、放射線分野で指導的地位を占めるフランス政府機関で、放射線に係わる研究と計測を行っている。

計測サービスの対象は、放射線業務従事者約15万人で、同研究所は測定に使用している現在のフィルム線量計から千代田テクノルが販売するガラス線量計(ガラスバッジ=写真)へ全面切替えを行う。

同社は、2000年には同社が独自に開発したガラスバッジによる全自動測定システムを導入し、国内約25万人の被ばく線量の測定サービスを行っている。同社はこれらのノウハウを含んだ新システムをIRSNへ供給するため、プロジェクト推進室(今井盟室長)を設置して全社的な対応をはかっている。

ガラスバッジは、国際原子力機関が世界的規模で実施した個人被ばく線量計の相互比較試験で最高の成績をあげるなど、世界トップレベルの計測性能を持っている。また、約400度Cで加熱しない限りその被ばく信号が物理的に消えないという大きな特徴がある。

今回、電力供給の大部分を原子力に依存するフランスの個人被ばく線量計としてガラスバッジが採用されたことで、今後EU市場が採用する可能性も考えられ、世界に誇る日本のオリジナル技術として認知されることになった。


Copyright (C) 2006 JAPAN ATOMIC INDUSTRIAL FORUM, INC. All rights Reserved.