[原子力産業新聞] 2006年10月19日 第2352号 <1面>

東芝がWH社の買収完了 原子力事業、20年に9000億円計画

東芝は17日、ウェスチングハウス(WH)社の株式取得手続きを完了したと発表した。西田厚聰社長は同日会見、「グローバル原子力グループを形成しBWR、PWR両方式を推進するリーディングカンパニーを目指す」とし、原子力事業を現在の約2,000億円から2015年に約7,000億円、20年には約9,000億円にする計画を示した。

西田社長は丸紅との出資交渉に触れ、残念な結果であり、丸紅が早期に今回の意志を決定していた場合、他の出資候補と様々な話ができたと思うとした。今後も引続き候補企業との調整を継続の意向。三菱重工業との関係では、今後様々な事項に関し友好的に話し合いたいとした。

東芝はWH社を運営するため米国と英国に持株会社を設立、同会社の取締役会長には庭野征夫・代表執行役副社長が就任。持株会社の取締役会の諮問機関として米・ショー、石川島播磨重工業も参加する「オーナーボード」を新設、この議長も庭野副社長が務める。WH社の中核であるウェスチングハウス・エレクトリック(WEC)社は従来と同様に米国に本社を置く独立会社として運営、スティーブ・トリッチ・最高経営責任者は留任の予定。WECには「コーディネーションオフィス」を新設、出資会社が人員を派遣する。

東芝の電力システム社は原子力事業部が引続きBWR事業を進めるとともに、「WEC統括事業部」を新設、「コーディネーションオフィス」と連携する。


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