[原子力産業新聞] 2006年10月19日 第2352号 <2面>

保安部会検討会 保全プログラム 要求事項の審議開始

総合資源エネルギー調査会の原子力安全・保安部会保守管理検討会(主査=班目春樹・東京大学教授)は11日、第2回会合を開催、原子力発電所の新検査制度で、事業者の策定する保全プログラムへの要求事項を定める「保守管理に関するガイドライン」の審議を開始した。今後、他検査との重複の排除、規制体系の整理、審査範囲・内容の具体化、策定単位(発電所ごとか原子炉ごとか)などについて検討を進める。

今会合では、日本保全学会が化学プラントで状態観測保全(CBM)の導入が信頼性向上実績を上げている実例を紹介、原子力でもCBMの積極的導入を提案した。事業者側の課題として、重要度に応じた保全の実施、情報の適正な把握、劣化予測による保全の適正化等を掲げ、規制当局に対しては、「事業者による継続的な安全向上のための努力を促すことが重要」と指摘した。

原子力安全・保安院は、前回会合での意見を踏まえ、保守管理の基本的事項、保全計画に関する記載事項を定めるガイドライン案と今後の検討事項を提示したほか、保守管理の妥当性確認ではリスク情報活用にも言及した。

電気事業連合会は、「保全活動管理指標」設定により、保全活動の有効性を「見える化」し、その充実を目指す考えを述べたほか、「現場品質を向上させることが最重要」として、的確な規制活動が新制度によりなされるよう今後の審議を期待した。


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