[原子力産業新聞] 2006年10月19日 第2352号 <3面>

オランダ 原子力発電所新設で 高レベル廃棄物処分方策が条件に

脱原子力政策を撤廃し、2016年までに新規に原子力発電所を運開させる計画を検討しているオランダで、高レベル放射性廃棄物の処分方策にも取り組む動きが出てきた。

P.ヴァン・ゲール環境大臣はこのほど、新規原子力発電所建設の前提条件として、@第3世代炉(改良型軽水炉)以上の安全性・経済性を持つことA既存のボルセラ発電所等から発生する高レベル廃棄物の処分方策を策定すること――などを挙げた。

特に高レベル廃棄物処分方策について大臣は、「新規原子力発電所の運開前、遅くとも2016年までに決定する」と強調した。

オランダの現行政策ではすべての放射性廃棄物を100年間、中間貯蔵することを基本としているが、その後の明確な処分方策は決まっておらず、「問題を100年間先送りしているに過ぎない」との指摘もあった。

今回大臣が新規建設の条件として高レベル廃棄物の処分方策の策定を挙げたことは、バックエンド問題にも取り組む意欲的な姿勢を示しており、原子力発電所の新規建設に向けて本腰を入れていると見ることもできるだろう。

大臣は今年7月、新規原子力発電所の建設候補サイトとして、@ボルセラ原子力発電所サイトAロッテルダム近郊の工業地帯トゥヴェーデ・マースフラクテBオランダ北部のデルフザイル――の3地点を挙げている。

オランダでは来月22日に総選挙が予定されており、原子力政策も焦点になりそうだ。


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