[原子力産業新聞] 2006年10月26日 第2353号 <5面>

BNGの分割売却を承認 セラフィールド NDA入札と同時期に

英政府は24日、ブリティッシュ・ニュークリア・グループ社(BNG)の分割売却方針を発表した。

国営である英原子燃料会社(BNFL)は今年8月、BNFLの施設管理・除染・デコミッショニング部門であるBNGの早期売却を計画。原子力廃止措置機関(NDA)と管理契約を結んでいる事業部門と、それ以外の部門を分離して売却することを提案した。

今回政府は、BNFLの提案する分割売却を承認した上でさらに、NDA関連の事業部門であるセラフィールド部門(セラフィールド施設の管理・運営を担当している)とマグノックス部門(マグノックス炉の運転を担当している)を分割売却する方針を示した。

A.ダーリン貿易産業相は、セラフィールド施設の運営は競争原理を最大限発揮する必要があると説明。「セラフィールド部門はNDAとの現行の管理契約期間中は売却せず、NDAが実施する次回入札のタイミングに合わせて売却するのが最適」との見解を示した。

またダーリン大臣は、「BNGを単体で売却した場合、コンソーシアムが買収し、買収後に分割される恐れがある」とのBNFLの懸念を挙げ、事前に政府主導で分割しておく必要性があることを強調した。もっとも、分割することで売却額の吊り上げを狙っているのでは、との見方もある。

今回決定されたBNGの売却スケジュールは、@セラフィールド部門=2008年中旬Aマグノックス部門=2007年Bプロジェクト・サービス部門=同CAWEマネージメント社の3分の1株式=同。

世界有数の原子力施設であるセラフィールド施設の管理契約は、年間約10億ポンドの莫大な利益をもたらすと言われている。8月以降、これまで英サーコ社、仏アレバ社、米フルアー社、米エナジー・ソリューションズ社、米ベクテル社などがBNGの買収に関心を示している。

またダーリン大臣は、セラフィールドの技術センターとネクシア・ソリューションズ社(BNFLの研究開発部門)を統合し、国立の原子力研究所(NNL)を設立することも発表。国内の原子力研究開発の基盤を維持する方針を明らかにした。設立時期は未定。


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