[原子力産業新聞] 2006年11月2日 第2354号 <3面>

欧州委員会 ウラン供給源多様化を模索 カザフとの原子力協力拡大を勧告

欧州委員会は10月24日、欧州理事会に対し、ユーラトム(欧州原子力共同体)とカザフスタン政府との間の原子力協力協定を締結するよう勧告した。

A.ピエバルグス・エネルギー担当委員は「カザフスタンとの原子力協定締結は、ウランの供給保障を向上させる」と指摘。協定の早急な締結を求めている。

原子力協定が締結されれば、欧州連合(EU)とカザフスタン間の原子力分野の輸出入が可能になり、カザフスタンから欧州へのウラン供給を可能にする。また原子力安全や研究開発分野での協力関係も強化され、情報交換や研究者の交流、共同プロジェクトの実施などが可能となる。

カザフスタンはカナダ、オーストラリアに続く世界第3位のウラン生産量(2005年に4,360トンU)を誇り、ウラン生産の拡大政策(2010年までに年産1万5,000トンU)を掲げている。

しかしカザフスタンのEU域内へのウラン供給量は、わずか3%にすぎない。一方のEUは、原子力発電の拡大が予測されており、供給先を求めるカザフスタンと供給源の多様化を図るEUの思惑は一致している。


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