[原子力産業新聞] 2006年11月2日 第2354号 <4面>

[わが国の原子力発電所運転速報] 10月利用率は61.6%、過去3年で最低 関電高浜の3基が100%超

日本原子力産業協会の調べによると、国内原子力発電所の10月期の平均設備利用率は61.6%で、昨年度同期の同71.6%を10ポイント下回り、過去3年間で最も低い水準にとどまった。配管肉厚点検、タービントラブル等に伴い停止中のプラントに加え、盛夏の電力需要期を過ぎ定期検査入りのプラントが多かったことよるものと思われる。総発電電力量は227億2,910万5,000kWhで、昨年同月より9.4%減。BWR全体の設備利用率は54.8%、PWRは72.3%。

今期、設備利用率が高かったのは、関西電力高浜2号機が105.2%をマークしたほか、以下同1号機の103.8%、同4号機の103.4%、九州電力川内1号機の103.2%と、いずれもPWRとなっている。BWRでは、東京電力の柏崎刈羽6号機の102.8%が最も高い。

関西電力美浜3号機(=写真右)は事故後の長期間停止を踏まえ、9月下旬に試験的に起動後、10月3日に停止し、プラント全体の点検を実施した。同社によると、本格運転再開は来年1月中旬が見込まれている。

定検による調整運転中であった日本原子力発電敦賀2号機は、8月からの原子炉補機冷却水系統の水位低下傾向に対する点検で、冷却水漏れが確認されたため、10月5日に原子炉を停止した。


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