[原子力産業新聞] 2006年11月9日 第2355号 <2面>

環境放射能検討会が初会合

文部科学省の原子力安全規制等懇談会の下に設置された環境放射能評価検討会(主査=飯田孝夫・名古屋大学大学院教授)は6日、初会合を開催した。

同検討会は、海洋環境放射能総合評価事業、環境放射能水準調査など、我が国で実施されている環境放射能調査の総合的評価を目的に設置。環境放射能の総合的な評価・検討は02年度に実施されたが、その後行われていなかった。今回、同検討会の下に環境放射能測定法マニュアル策定専門家会合も設置、同マニュアルの策定等も検討する。

初会合では、海洋生物環境研究所と温水養魚開発協会が05年度海洋環境放射能総合評価事業成果として、それぞれ海洋放射能調査、温排水等により飼育した海産生物に関する放射能調査を報告した。この内、海洋放射能調査は全国の原子力発電所周辺海域や核燃料サイクル施設沖合海域で毎年、海産生物、海底土、海水を採取し、放射能核種を分析しているもの。

05年度はいずれも過去5年間の測定値と同程度と報告されている。同検討会は、この報告内容を基本的に了承したが、委員からは、「国民に分かり易い表現を検討すべき」、「データの提示だけでなく、要因分析の充実が必要」、「関係諸団体の調査との棲み分けが必要」などの意見が出された。


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