[原子力産業新聞] 2006年11月9日 第2355号 <3面>

スウェーデン 最終処分に向け 予備的な安全評価 2010年の着工目指す

スウェーデン核燃料廃棄物管理会社(SKB)は1日、使用済み燃料最終処分場候補となっている2地点での予備的な安全評価を、規制当局である原子力施設検査局(SKI)に提出した。

SKBは、「両地点とも良好な評価結果を得たが、安全評価を完了させるにはさらにデータが必要」とし、2009年に予定されている安全評価の完了に向けて、地質調査を継続するとしている。

最終処分場の候補地点に挙げられているのは、オスカーシャムとエスタマル。両地点ともそれぞれ、オスカーシャム原子力発電所(BWR×3基)、フォルスマルク原子力発電所(BWR×3基)が立地している。今年5月に実施された世論調査では、両地点とも住民の70%以上が処分場受け入れに好意的であるという。

SKBは安全評価の完了後、最終的に1地点を選定し、最終処分場の建設認可申請を行う予定で、2010年の着工、2017年の試験操業開始を目指している。

スウェーデンでの使用済み燃料の処分方針は、直接処分が原則。使用済み燃料は、銅−鉄二重構造キャニスター(外部が銅製、内部が鋳鉄製)に封入した後、地下500メートルの結晶質岩盤内に処分される。

また使用済み燃料の処分に際しては、一部を試験的に処分する「トライアル・オペレーション」という方式を採用する方針である。

そのためSKBは、最終処分場の建設認可と同時にトライアル・オペレーションの認可も申請し、2017年にトライアル・オペレーションを開始。地下の特性調査と並行して処分を行い、その後、正式な操業認可を申請する、という手順を踏む。

なおSKBは、使用済み燃料をキャニスターに封入する「キャニスター封入プラント」を、使用済み燃料集中中間貯蔵施設(CLAB)に隣接して建設する計画で、8日に建設認可をSKIへ申請した。


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