[原子力産業新聞] 2006年11月16日 第2356号 <1面>

原子力委 FBRサイクル開発方針を決定 15年に実証施設設計を提示

原子力委員会は14日の定例会議で、文部科学省の原子力分野の研究開発に関する委員会が先頃取りまとめた報告書などを踏まえ、「高速増殖炉サイクル技術の今後10年程度の間における研究開発に関する基本方針」を委員会決定した。

基本方針は、@文科省、経産省、原子力機構は電気事業者、製造事業者などと連携し、安全性や経済性に優れた高速増殖炉サイクルの実証施設の概念設計及び実用化までの研究開発計画を15年に提示するA革新的概念に基づく技術システムを実現するため、枢要技術の探索に取組むBすでに開始した関係機関の協議の場を通じ、25年前後に実現を目指す実証施設の要求事項や実現方策における各関係者の役割を示し、実用化までのロードマップを継続的に検討するC「もんじゅ」は08年度に運転を再開し、10年程度以内にナトリウム取扱技術や信頼性の確立など所期の目的を達成する――など。

研究開発を進める上で配慮すべき事項として、安全確保と核不拡散を大前提に必要な予算を確保、知識基盤の整理に努め、国際協力を適切に実施、広聴・広報活動の充実なども求めている。

文科省の報告書は、今後の実用化研究開発の主概念をナトリウム冷却炉(MOX燃料)、先進湿式法再処理、簡素化ペレット法燃料製造の組合せとした。原子力委員会は10年頃から第二再処理工場の在り方を検討するが、同研究開発の成果をこの検討に反映させる。

なお同委員会は基本方針を来月8日までパブコメに付す。


Copyright (C) 2006 JAPAN ATOMIC INDUSTRIAL FORUM, INC. All rights Reserved.