[原子力産業新聞] 2006年11月16日 第2356号 <3面>

ウクライナ向け核燃料を値上げへ ロシア 市場価格を反映と説明

ロシア連邦原子力庁は7日、ウクライナの原子力発電所向けの燃料価格を来年から引き上げる方針であることを明らかにした。

両国は燃料価格を毎年見直すことで合意しており、原子力庁は「ウラン市場のスポット価格は数倍に跳ね上がっており、ウクライナ向けの燃料も市場価格を反映することになる」と説明している。露TVEL社はウクライナのエネルゴアトム社(国営原子力発電会社)と供給契約を結び、ウクライナ国内全15基の原子力発電所に燃料を供給している。

一方、ウクライナも、米国政府の資金援助を得て米ウェスチングハウス(WH)社との燃料開発プロジェクトを実施するなど、燃料供給の確保に向け奔走している。

現在、南ウクライナ3号機(VVER1000)でWH製燃料集合体6体を試験装荷しており、同機にWH製燃料集合体をフル装荷(42体)する計画も進行中である。

ウクライナにウラン資源はあるが、その燃料加工はロシアが行なっている。また、使用済み燃料の貯蔵と再処理もロシアが行なっており、ロシアからの経済的な圧力を受けやすい状況を作り出している。


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