[原子力産業新聞] 2006年11月23日 第2357号 <2面>

原子力委 新潟でご意見を聴く会開催 平和利用のアピールに努力を

原子力委員会の政策評価部会は17日、新潟市の朱鷺メッセで、「原子力の平和利用の担保に係る施策の評価」をテーマにご意見を聴く会を開催(=写真)した。約180名が参加し、核武装議論の是非から原子力発電の安全性まで幅広く意見交換、特に日本の平和利用の徹底やプルトニウム利用の透明性の国内外へのアピールに一層努力すべき、との意見が多く出された。

近藤駿介・原子力委員長の会の趣旨説明、内閣府の施策の現状説明に続き、有識者3名が意見を述べた。笠原美紀子・にいがた女性会議代表は、高経年化・耐震問題など原子力発電は不安、一旦全て止めて安全確保の議論が必要ではという地域の声もあることを紹介。小町孝夫・新潟日報編集委員は、平和利用は国内外で意識のずれがあり、原子力委員会は国際社会で疑念を持たれないよう努力すべきと要請した。伴英幸・原子力資料情報室共同代表は、軍事利用は勿論だが、平和利用からも撤退すべきとし、平和利用を超えるグレイゾーンが増えていると指摘した。

会場参加者からは、「経済的観点からも原子力は必要、プルトニウムの利用も含め国内外にきちんとした説明を要望する」、「高経年化対策について分かり易く、明確な情報提供を」、「海外から核武装に疑念を持たれないような仕組み作りが必要」、「原子力委員会の政策検討は賛否のバランスを欠くのでは」、「原子力は地球温暖化に有効という点は重要」、「プルトニウムを増やさない工夫が必要」、「原子力施設への警備を充実すべき」などの意見が出された。

原子力委員会は今回の議論も踏まえ、施策評価の報告書を取りまとめる。


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