[原子力産業新聞] 2006年11月23日 第2357号 <2面> |
北陸電力 志賀2運転差止訴訟 控訴理由書を提出北陸電力は16日、志賀原子力発電所2号機運転差止訴訟控訴審に係わる控訴理由書を名古屋高裁金沢支部に提出した。本耐震設計の地震動想定は妥当であり、原判決が指摘した事象・知見は安全性に影響しないと反論した。来月18日に開催が予定されている第1回口答弁論で陳述する。 控訴理由書は主張・立証責任論、安全規制の体系、原子炉施設の耐震設計における地震動の想定の妥当性、多重防護機能、耐震設計審査指針の改定などで構成。 主張・立証責任論では立証責任を被告に転換しており、最高裁判例に違反していると主張。原判決が基準地震動S2の策定で考慮する直下地震の規模をM6.5と想定することは不合理とした点では、その根拠に挙げた13地震例のいずれもM6.5を想定する合理性を否定できる根拠とならないと反論。またS2策定において、邑知潟断層帯全体を一連のものとして評価する必要はなく、仮に同断層帯全体が一括して活動した場合でも、その地震動はS2の範囲内であるとしている。 原判決は、基準地震動の想定方法である大崎の方法に関しても妥当性があると言い難いとしたが、この点も耐震設計に広く用いている経験式であり、妥当性はあると主張している。併せて新耐震指針に照らした耐震安全性を本訴訟で明らかにすることも記述した。 金沢支部が、耐震設計に問題があり志賀2号機を運転してはならない、との判決を言い渡したのは今年3月24日。北陸電力は同27日に控訴している。 |