[原子力産業新聞] 2006年11月30日 第2358号 <1面>

原子力CDM 「COPの場で議論を」 FNCA大臣級会合が合意 発電利用も継続検討 アジア地域で情報共有化めざす

アジア地域での原子力技術の安全な利用を進め、社会経済の発展を促進することを目的に活動している「アジア原子力協力フォーラム」(FNCA)の第7回大臣級会合が27日、マレーシアのクアンタンで開かれた。日本を含め10か国の原子力・科学技術担当大臣らが参加して行った円卓会議では、原子力発電を京都議定書のクリーン開発メカニズム(CDM)の対象に追加する可能性について気候変動枠組条約の締約国会議(COP)の場で議論すべきだとの共通認識に達した。

今回からバングラデシュが正式参加国に加わり、日本からは平沢勝栄・内閣府副大臣(科学技術政策等担当)が出席した。

FNCAでは現在、主に放射線利用の8分野12テーマについて各国間のパートナーシップに基づく協力活動を行っているほか、04年からは「アジアの持続的発展における原子力エネルギーの役割」についての検討パネルを設置して、原子力発電分野についても基本的な検討を行ってきた。

今回この検討パネルの報告を受け、大臣クラスの円卓会議で意見交換し、アジア諸国も原子力発電の果たす役割を高く評価、「原子力発電は立証された技術であり、エネルギー安定供給のための重要なオプションであり、気候変動や大気汚染の緩和に貢献する」とした。

さらに、検討を一歩進めるため、原子力発電分野での協力について検討を行う新しいパネルの設置を日本が提案し、各国が支持、設置が決まった。

原子力発電導入の検討に当たっては、安全確保、核セキュリティ、人材育成、広報、経済性評価と資金計画、核不拡散の基盤整備が必要だとの共通認識も得られた。


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