[原子力産業新聞] 2006年11月30日 第2358号 <1面>

三村知事、甘利経産相と会談 サイクル政策を再確認

青森県の三村申吾知事(=写真左)は27日、経済産業省を訪ね甘利明・経済産業相(=同右)と会談した。三村知事は国の核燃料サイクル政策を確認するとともに、高レベル放射性廃棄物処分に対する取組みの一層の充実などを要請。甘利大臣は、地域振興などに留意しつつ、ぶれない原子力政策を中長期的に進めると応じた。

三村知事はこれまでも節目ごとに国の原子力政策を確認してきている。今会談も安倍内閣発足を受け、甘利大臣に改めて同政策を確認したもので、三村知事と甘利大臣の会談は今回が始めて。

知事は、@核燃料サイクル政策の推進A高レベル放射性廃棄物への取組みB事業者の品質保証体制への国の関与C広報・広聴活動の充実――の4点を確認、取組みの充実を要請した。

サイクル政策では、使用済み燃料の全量再処理という基本方針を確認するとともに、プルサーマル計画の推進や第2再処理工場を含む関連技術開発の強化などを要請。高レベルでは県民の最終処分地に関する懸念を述べるとともに、処分地確保に向けた国などの一層の取組み強化を求めた。また、事業者の一段の品質保証体制強化に向けた指導や人材育成策の充実を要請し、広聴・広報の充実ではサイクル政策の必要性や放射線の安全性などの具体例を挙げた。

これに対して、甘利大臣は、再処理工場などこれまでの青森県の多大な協力に敬意を表するとともに、「サイクル政策は先般の原子力立国計画でも明確に示しており、安全確保や地域振興に留意しつつ、中長期的にぶれることのないよう研究開発も含め推進する」とした。高レベル処分についても「これまでの青森県との約束に変更はなく、処分地の早期選定に向け今後とも国、NUMO、電気事業者などが一体となり取組む」と述べた。


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