[原子力産業新聞] 2006年11月30日 第2358号 <2面>

原子力委に報告 米・先進原子力システムWSに参加 「基礎研究の充実を」

日本原子力研究開発機構の原子力基礎工学研究部門の湊和夫・研究主席は、21日の原子力委員会定例会議で、今年7月から8月にかけて米国DOE主催により開催された、先進原子力システムのための基礎研究関連ワークショップについて報告した。DOEは同WSで、GNEP実現のために基礎研究は何をすべきか、を提起したが、定例会議ではこうした基礎研究の日米比較のテーマも話題となった。

DOE主催で開催されたのは、「先進原子力システムのための基礎研究」、「先進燃料サイクルのための原子核物理」、「先進原子力システムのためのシミュレーション技術」の3つのWS。7月末から8月中旬まで連続して開催、合計500名以上が参加した。

基礎研究のWSでは、大きな挑戦として3課題、優先研究としてf電子系解明をはじめ9課題などを示した。原子核物理ではGNEPからのニーズを整理し、今後必要な研究開発項目などを、シミュレーション技術ではGNEPにおける炉開発、核燃料設計および材料挙動、燃料サイクル、廃棄物処分に対する役割などを討論した。

湊氏は現在、同機構で取組んでいる基礎研究の概要についても報告したが、WSで示された各テーマは新鮮で米国の底力を感じたと述べた。

原子力委員からは、こうした基礎研究の日米の比較に関する質問が多く出された。同氏は、「研究費の比較は良く分からない面があるが、日本が微々たるものであることは確か。研究者の人員では、米国は日本の10倍と思う」とした。


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