[原子力産業新聞] 2006年11月30日 第2358号 <2面>

安全委・防災指針改訂へ 国際動向踏まえ、位置付け明記

原子力安全委員会の原子力施設等防災専門部会防災指針検討WG(主査=藤城俊夫・高度情報科学技術研究機構参与)は28日、「原子力施設等の防災対策について」(防災指針)の改訂案を固めた。同指針は、臨界事故を契機に2000年にも改訂されたが、IAEA文書、諸外国の原子力防災体制などを踏まえ、今春より見直しを図っていたもの。

防災指針の位置付けについて、これまで指針中に明記されていなかったが、改訂案では関連法令、防災基本計画の規定に基づき、「防護対策に係わる専門的・技術的事項」などと、明記ししている。指針の対象についても、原子炉等規制法に定める原子炉施設、再処理施設、加工施設、使用施設、廃棄物埋設施設、廃棄物管理施設と、核燃料物質等の輸送時による原子力災害と明示されたが、IAEA文書では対象としている放射線源、テロ等による緊急事態の記述は見送られた。

この他、防護対策に関して目的、実施のための整備、実施の判断基準となる線量、安定ヨウ素剤の予防服用に係わる運用についても追記された。


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