[原子力産業新聞] 2006年11月30日 第2358号 <3面>

アルゼンチンとカナダ 具体的な共同プロジェクトで協定

カナダのG.ルン連邦天然資源相は27日、アルゼンチン原子力発電会社(NASA)とカナダ原子力公社(AECL)が、CANDU炉(カナダ式重水炉)のバックフィットや新規建設に向けた実行可能性調査など、原子力協力の拡大で協定を締結したと発表した。

これは今年5月に、NASAおよびアルゼンチン原子力委員会(CNEA)がAECLと締結した覚書を強化したもの。

アルゼンチンは重水炉路線を選択しており、重水炉関連の研究開発施設や燃料製造、プラント部品の製造を行っている。

今回の協定では、@エンバルセ発電所(CANDU6、64万8,000kW)のバックフィットAアルゼンチンでの新規CANDU6炉の建設に向けた実行可能性調査B建設作業が中断しているアトーチャ2号機(独シーメンス製加圧重水炉、74万5,000kW)の建設再開に向けた支援C世界のCANDU炉市場向けサービスおよび重水供給――など具体的な共同プロジェクトが明記され、両国の思惑が一致した内容となっている。

特にAについては、新規CANDU炉の運開時期を2015年頃に設定するなど、具体的な想定スケジュールも今回初めて明らかにされた。

アルゼンチンは今年8月、今後8年間、約35億ドルを投じて、アトーチャ2号機の建設再開や重水生産の拡大などを実施する、意欲的な原子力発電開発計画を発表している。


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