[原子力産業新聞] 2006年11月30日 第2358号 <3面>

加カメコ社と露TENEX社 ウラン開発でJV結成へ

加カメコ社と露TENEX社は22日、ウラン探鉱・鉱山開発などで共同企業体(JV)を設立する方針を固め、覚書を締結した。両社は今後、共同プロジェクトについて検討を進め、来年内に正式な合意文書に調印する予定だ。

ウラン資源の開発に力を入れているロシアは先月、カザフスタンとカザフ国内ウラン鉱山の開発などでJVを設立することを取り決めており、来月初旬にも試験採掘が開始される見通しである。ロシアはほかにもウズベキスタンとのJV結成も模索している。

連邦原子力庁のS.キリエンコ長官は「資源があれば地域を問わずに共同開発に着手したい」と述べ、ウラン権益の獲得に積極的な姿勢を示している。

一方のカナダは、カメコ社が開発中のシガーレイク鉱山で先月、開発中の全地下区画が浸水する落盤事故に見舞われ、2008年とされている現行の操業開始スケジュール(新スケジュールは来年2月に発表予定)は大幅な遅れが予想されている。そのため、ロシアとのJV結成により将来的なウラン権益を確保し、顧客に対してウラン供給を保障するねらいがあるようだ。

世界的な原子力ルネサンスの潮流を受け、ウラン需要は将来的に大幅な増加が見込まれており、ウラン供給の確保に向けたJV結成がさかんになっている。


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