[原子力産業新聞] 2006年11月30日 第2358号 <3面>

三井造船、英子会社を売却へ 韓国唯一の原子力機器メーカー、斗山重工が買収

三井造船は、英国にある子会社・三井バブコックエナジー社の持株会社MESCO社の全株式を、韓国の斗山重工業に売却する。譲渡価額は200億円、手続きは年内にも終了する見通し。

三井造船は事業再編の中で事業用大型ボイラー事業より撤退し、英国で火力発電所の建設・メンテナンスなどを主力業務としてきた三井バブコックエナジー社も手放すことに決めた。

同社は95年に英国ボイラーメーカーのバブコック・エナジー社(その後、いまの「三井バブコックエナジー社」に改名)を買収し連結子会社化し、エネルギー関連事業をコアビジネスの1つとして強化するねらいがあった。その後、三井バブコックエナジー社は02年にはロールス・ロイス社の原子力サービス事業を買い取り、原子力発電所の撤去・解体サービス事業などへの展開も考慮していた。

現在の三井バブコックエナジー社の年間売上高は約850億円で、従業員は約4,000名。このうち原子力関連は周辺事業のメンテナンス工事などで数十億円以下。

斗山重工は公営企業であった韓国重工業が01年に民営化されたもので、韓国唯一の圧力容器など原子力主要機器を製造する総合重機メーカー。

斗山重工が今後、欧州市場の原子力分野をにらんで、同社をどのように位置付けようとしているのかは明らかになっていない。


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