[原子力産業新聞] 2006年12月7日 第2359号 <1面>

核物質防護規制整理へ 原子力委 高レベル固化体も対象に

原子力委員会は5日の定例会議で、原子力安全・保安院から総合資源エネルギー調査会原子力安全・保安部会の原子力防災小委員会危機管理WGが取りまとめた中間報告書「放射性廃棄物の埋設に係わる核物質防護の在り方」の報告を受けるとともに、同委員会として広く核物質防護について考え方を整理する場を設ける方針を決めた。

この中間報告書は同WGが今年10月から、海外の放射性廃棄物埋設に係わる核物質防護規制の動向を踏まえ、検討を進めているもの。我が国ではこれまでガラス固化体については、盗取の困難性から核物質防護の対象から除外していたが、テロによる妨害破壊行為の脅威を重視する必要性から、これを防護規制の対象にすべき、としたことが大きな特徴。すでに主なガラス固化体保有国である欧米主要国はいずれも規制対象としている。同WGでは、今後政省令レベルでの制度設計に必要な技術事項などについて、引続き検討する。

一方、文部科学省もRIを含めて核物質防護の規制について検討を進めており、原子力委員会では近く、同省からも報告を受ける。

原子力委員会は専門部会など検討の場を設け、放射性廃棄物の埋設事業も含め、妨害破壊行為を重視した最近の国内外の核物質防護の動向を整理するとともに、考え方を示す方針。


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