[原子力産業新聞] 2006年12月7日 第2359号 <3面> |
欧州委員会副委員長 気候変動で提言 エネルギー安全保障と経済成長を重視欧州委員会のG.フェアホイゲン副委員長兼企業・産業担当委員が、J.M.バローゾ委員長に宛てた書簡の中で、欧州連合(EU)のエネルギー安全保障と経済成長を重視した気候変動防止策を提言し、話題となっている。 同副委員長は、@気候変動の防止Aエネルギー安全保障B産業界の国際競争力強化――の3分野の政策を協調・連携させ、EU域内の市民・企業を保護することを主眼に、以下の10項目を提言した。 @2020年までのCO2排出量の削減目標を、経済成長を見極めながら現実的に設定するAクリーン開発メカニズム(CDM)や共同実施(JI)をさらに推進するBEU域内のエネルギー市場を統合するCあらゆるエネルギー・オプションを、偏見を排して堅持するDEU域内で実施している排出権取引(ETS)を強化するE省エネを推進するFEUの環境関連産業分野を、政策的に支援するGEU域内に再生可能エネルギー市場を創設するH炭素税の課税等を通して、市民にも気候変動防止への取り組みに参加させるI気候変動等への取り組みにより、EUの電力集約型産業が国際競争において不利にならないよう、ペナルティ制度を導入してインセンティブを与える。 副委員長はこれらの施策により、経済への影響力を最小限に抑え、低炭素社会における将来の市場に対し産業界に適応力を持たせると説明。同時に、エネルギー源を多様化させ、再生可能エネルギーの利用拡大を図ることで、エネルギー分野でのEU域外からの影響力からEUを保護することが出来る、と主張した。そして、いずれの提言項目も、「一括して実施しなければ効果がない」と強調している。 |