[原子力産業新聞] 2006年12月7日 第2359号 <4面> |
【わが国の原子力発電所運転速報】 11月利用率63%、発電量前年比1割減 東電・柏崎刈羽6が運開10周年日本原子力産業協会の調べによると、国内原子力発電所の11月期の平均設備利用率は63.0%と、大幅な下降を示した十月期の61.6%より若干持ち直したものの、定期検査等に伴う停止プラントも多く、総発電電力量は224億9,050万kWhと昨年同期比11.1%減となった。 室内暖房による電力需要期に差しかかっているが、気象庁によると、この11月は全国的に温暖で、北海道ではところにより月平均気温が平年を約2度C上回るなど、厳寒・豪雪に見舞われた昨冬とはうって変わり、今年はこのペースで暖冬となる見込み。電力各社の供給力確保と合わせ、冬季ピーク時の電力安定供給に支障はないものと電気事業連合会では見ている。 今期、設備利用率の最高は、前月に続き関西電力高浜2号機で105.3%、これに次いで九州電力川内1号機の103.9%となっている。 また、日本原子力発電東海第二、北海道電力泊2号機、東京電力柏崎刈羽5号機、関西電力美浜1号機、同高浜1号機、九州電力玄海2号機の計6基が定検入りに伴い、11月中に発電を停止した。 トラブルについては、北陸電力志賀1号機で、発電機ブラシ保持リング部の振動大により、7日原子炉を停止し、発電機コレクタリング冷却ファンを分解点検したところ、記録用紙の巻き込みがあったため、除去し、設備に異常ないことを確認した上、発電を再開した。 なお、国内初のABWRの東京電力柏崎刈羽6号機は11月7日、運転開始から10年を迎えた。同月末までの累積発電電力量は約1,000億kWh、法令に基づく定期安全レビューもすでに実施された。 |