[原子力産業新聞] 2006年12月14日 第2360号 <6面> |
IHI 来年度中にSG試作開始 PWR事業の中核製品へ石川島播磨重工業はPWR事業の中核製品となる蒸気発生器(SG)の試作を来年度中にも開始する。本格生産は10年度からの予定だが、試作の各ステップでウェスチングハウス(WH)社や電力事業者のチェックを受ける。SG中心にPWR事業での設備投資と開発投資は今後3年間で合計40〜50億円を計画、人員も同事業で240名程度の体制にする計画を進める。 同社は今年10月、東芝がWH社買収のため米国と英国に設立した新会社に1億6,200万ドル(出資比率3%)を出資、従来のBWR事業に加えPWR事業に参画した。現在の原子力関連事業は年間400億円程度だが、10年後には同800億円程度に拡大、この内の半分程度はPWR事業になる見通し。 PWR事業では圧力容器とともに、SGが中核製品になる。すでに生産に向けて材料の確保、生産設備計画、研究開発スケジュールなど様々な検討を進めており、「生産に必要な技術課題などはクリアできる目途がついてきた」(渡部和夫・原子力事業部長)という。 PWR事業は来年度からの3年間で横浜第1工場での設備投資、技術開発本部での研究開発投資ともに20〜30億円を計画。「PWR用圧力容器はBWRの実績から技術的に大きな課題はなく、投資のほとんどがSGになる。将来はPWRでSG年間4基と圧力容器同2基、BWRで同じく1プラント分の生産体制を考えている」(同)という。このため原子力事業の陣容を現在の約500名体制から、720名程度に増強する。 一方、現在稼働中プラントのSG取替えへの対応は、東芝やWH社等と協議しながら検討する。 |