[原子力産業新聞] 2007年1月5日 第2361号 <8&9面> |
原産協会 高レベル処分の対話活動 市民の目線で懇切説明 繰返しで信頼生れる高レベル放射性廃棄物の地層処分場の選定については、実施主体の原子力発電環境整備機構(NUMO) が概要調査地区を2002年12月に公募開始してから、今年で5年目を迎える。この間、いくつかの自治体が誘致の動きを見せたものの、知事や周辺自治体の反対等で実現していない。高レベル廃棄物の処分事業の滞りは単に処分の問題だけには留まらず、原子燃料サイクル全体に影響を及ぼす問題であることから、問題解決に向けて、関係者が連携を取りつつ、それぞれの立場で最大限の努力を払っていくことが必要だ。 今新年号では2面にわたって、日本原子力産業協会が、このような認識のもとに、高レベル廃棄物処分事業の早期実現に向けて、直接の立地活動とは切り離した、より広い社会の理解を目指した対話活動に取り組んでいる状況を報告する。 【対話集会で話す内容】1.エネルギー問題 2.高レベル廃棄物処分問題
【対話集会満足度】 原産協会の地方組織である東北原子力懇談会、茨城原子力協議会、関西原子力懇談会、北陸原子力懇談会等の協力をいただき、06年2月から12月にかけて15回の対話集会を実施した。このうち、06年度分(5月〜12月)についての分析結果を示す。 「消費地でも説明必要では」火山も心配 【対話集会での具体的な質問・意見】 技術的質問
技術以外の質問
地層処分事業は100年にもおよぶ長期の事業であり、この間、地域の市町村長や知事が最短で4年毎に交代することを考えると、常に政治的な不安定さを内在した事業(いつでも白紙撤回の可能性を持つ事業)と考えることができる。 また原子力を続ける限り、第1期の処分場の操業の時期を迎えるころには、第2期の処分場を探す必要性が生じる。 このような特徴を有する事業を円滑に進めるためには、候補地を確保し当該地域の信頼を得る努力だけでは十分ではなく、広く社会の理解を得る努力を払い続け、この問題を地域の問題として特定地域の中に埋没させないことが必要と考えられる。 日本原子力産業協会はこのような観点から、高レベル廃棄物処分の実施主体(原子力発電環境整備機構)が概要調査地区予定地の応募を受けた後も、より広い社会の理解を目指した活動を、地道に続けていく方針だ。 |