[原子力産業新聞] 2007年1月5日 第2361号 <9面>

対話集会に参加して 「原子力を勉強する女性のつどい」会長 橋本 美智子氏

東海村でも地層処分に関する研究が行われておりますが、今回まとまった話を伺うことができたいへん有意義でした。

地下深い人の手の届かないところに放射性物質を埋め、何万年という想像の及ばない期間の安全性の話ですので、初めて話を聞いた私たちには、技術的な理屈だけでこれを理解することは難しく、出土した古代ローマ時代の釘の実物やイタリアで発見された200万年前の巨木の写真を見せて戴いたことにより、地層処分が信頼出来そうなものであることが感覚的に受け止められました。

特に「これが2000年前の釘です」と実物を見せてもらった時は、「なるほど」という気になりました。

1回の説明ではこのような難しい話を理解することは難しく、繰り返し聞かせていただくことにより、少しずつ理解が進むものと思います。また少人数を対象にしたこのような対話集会は大人数で聞く講演よりも注意深く聞け、質問もし易いので、受け手とすると大変有り難いです。

スウェーデンでの街頭での市民との対話の様子のビデオは、高レベル放射性廃棄物の処分について賛成、反対と、意見はいろいろとありましたが、市民がこの問題について自分の問題として高い認識をもっていることが分かり、参考になりました。

新聞などによりますと、アメリカやヨーロッパでは原子力を見直す気運が高まっているとのことです。これからのエネルギー問題や環境問題を考えますと原子力、そしてそれを進めるために地層処分は必要なものですので、このような対話を含めて着実にまた安全に進めて戴ければと思います。(茨城県東海村を中心に原子力を考えるグループ)


Copyright (C) 2007 JAPAN ATOMIC INDUSTRIAL FORUM, INC. All rights Reserved.