[原子力産業新聞] 2007年1月11日 第2362号 <3面>

ドイツEnBW社 発電電力量の移転 旧機への移転を申し入れ

独の電力会社であるEnBW社は12月21日、ネッカー2号機から同1号機への発電電力量の移転を、連邦環境省に申し入れた。1号機は現状では2009年に運転期限を迎えるが、今回の発電電力量の移転が承認されれば、2017年まで運転を継続することが可能になる。

移転する発電電力量は469億kWh。これにともない2022年まで認められているネッカー2号機の運転期限は2017年に前倒しされ、新しい発電所から古い発電所へ発電電力量を移転させるという特異なケースとなる。

ネッカー原子力発電所(=写真)はツインユニットであることから、EnBW社は両機の運転期間を同期させた方が人員配置の観点から保守・補修や運転が最適化されるとし、経済性だけでなく安全性も高いと説明している。

また同社は、「発電電力量の移転は改正原子力法に則った正規の手続きであり、連邦環境省は承認する義務がある」と指摘。同時に、今回の申し入れが契機となりドイツ国内で原子力発電の役割を見直す動きが起こることもありうるとし、合わせて、S.ガブリエル環境相に対し、同相が打ち出した「2020年までに温室効果ガスの排出量を、1990年比で40%削減する」とする削減目標を達成するよう強く要求している。

昨年9月にはRWEパワー社が、早期閉鎖されたミュルハイム・ケールリッヒ発電所の残余電力量のうち、300億kWhをビブリスA発電所に移転することを申し入れている。


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