[原子力産業新聞] 2007年1月11日 第2362号 <3面>

スウェーデン首相 2010年以降に 原子力発電所の新規建設を示唆

スウェーデンのF.ラインフェルト首相は12月19日、現地紙とのインタビューの中で、原子力オプションを排除しないと明言。2010年以降に原子力発電所の新規建設を検討する可能性を示唆した。

昨年9月の総選挙に勝利し、新首相に就任したラインフェルト首相はこれまで、政権担当期間中(〜2010年)に原子力発電所の早期閉鎖を実施することはないとしながらも、原子力発電所の新規建設や、早期閉鎖されたバーセベック原子力発電所の運転再開の可能性については否定していた。

そのため今回首相が、2010年以降のこととはいえ、新規建設の検討について明言したのは、画期的なことと受け止められている。

首相は、「スウェーデンでは、原子力発電は一時的な解決策に過ぎず原子炉の寿命は限られているとの考えが一般的だったが、誤りだった」とし、国内の原子力発電所が60年までの運転期間延長を目指してバックフィット作業の準備を進めている現状を指摘。また新規建設が進むフィンランドや新規建設を検討するバルト諸国を例に挙げ、原子力発電は地球温暖化の防止だけでなく、石炭や石油への依存度を低下させる点で大きな役割を果たす、との認識を示した。


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