[原子力産業新聞] 2007年1月18日 第2363号 <1面> |
サイクル安全小委 再処理工場試験で 第3ステップ開始を了承総合資源エネルギー調査会原子力安全・保安部会の核燃料サイクル安全小委員会(委員長=松本史朗・埼玉大学大学院教授)は15日、第12回会合を開催、日本原燃六ヶ所再処理施設・アクティブ試験の第2ステップ報告および原子力安全・保安院の評価結果を審議した。保安院は設備の安全機能などを確認、「第3ステップを開始する条件を満たした」との判断を示し、同委員会もこれを了承した。 保安院の薦田康久審議官は同委員会の判断を受け同日、青森県の三村申吾知事を訪ね、評価内容を報告した。県は日本原燃からも報告を受けた後、今月中には県議会全員協議会を開き、県としての判断を示す見通しで、アクティブ試験は今月末にも第3ステップに入ると見られる。 日本原燃は第2ステップ報告を先月8日と同26日に分けて提出。保安院は同小委員会の下に設置した再処理WGにより、評価手法やデータを検討してきた。15日に同委員会に示した保安院の評価は、これを踏まえたもの。個々の設備の安全機能確認、放射性物質放出の除染能力確認、不適合等とその対応および是正処置などを重点に評価結果を示した。 その結果、使用前検査での基準に適合するとともに、安全関連確認事項でも所定の結果が得られ、除染係数を期待する核種も設計上の要求を満たし、不適合等への対応も適切に実施されているとした。 会合では報告書の記述内容について補足的な質問が出されたが、第3ステップ開始の条件は満たした、とする結論について異論はなかった。 第3ステップではせん断および溶解施設の系列を変更し、PWRとBWR燃料合計約70トンを使用し性能を評価するとともに、空気中の放射性物質濃度、廃棄物放出量などを確認する。 原子力安全委員会の再処理施設安全調査プロジェクトチーム(主査=前田充・原子力研究バックエンド推進センター特別参与)は16日、原子力安全・保安院による六ヶ所再処理施設アクティブ試験第2ステップの確認結果を受け、第3ステップ開始は問題なしという同院の判断に「妥当」との考えを示した。近く安全委本会合に報告、了承となる見通し。 同チームでは、これまでより燃焼度の高い燃料を処理する第3ステップ以降でも、事業者による慎重な試験への取組を確認していくよう規制当局側に求めた。 |