[原子力産業新聞] 2007年1月18日 第2363号 <6面>

英国 2段階の事前認可制度を発表 許認可手続き合理化へ

英保健安全執行部(HSE)は11日、原子力発電所の新規建設に向け、2段階の事前認可制度に関する指針を発表した。

これは昨年7月に発表された英国政府のエネルギーに関する政策方針を受けたもの。政策方針の中で政府は、原子力発電所の許認可手続きの合理化を目指し、HSEなど関係機関に指針の策定を指示していた。

英国では原子力発電所のリードタイムが長期に渡り、原子力発電事業者と規制当局双方に多大な負担を強いる傾向にある。そのためHSEは許認可手続きを、@原子炉設計の認証Aサイトや運転者を特定した上でのサイト許認可――の2段階に分け、リードタイムの短縮により、新規原子力発電所の建設促進をねらった。

まずHSEは、英環境庁(EA)、スコットランド環境保護庁(SEPA)、貿易産業省・原子力セキュリティ室(OCNS)などと共同で、これまで各機関がバラバラに実施していた許認可手続きを、原子炉設計の認証手続きのみに絞って統合した。

HSEは建設サイトや運転者のことを考慮せずに、原子炉設計のみを審査。EAおよびSEPAは原子炉設計の環境影響について審査。OCNSは原子炉設計のセキュリティについて審査する。また、核物質の輸送規制を担当する運輸省は、状況に応じて各機関に協力するとした。

その後のサイト許認可においてHSEなど関係当局は、従来通りの審査を行うが、原子炉設計に関しては前段階で検討済みであるため、評価作業が簡略化されることになる。

HSEはあくまでも現時点での予測にすぎないとしながらも、原子炉の設計認証作業に33か月〜42か月、サイト許認可に6〜12か月とのスケジュールを示している。


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