[原子力産業新聞] 2007年1月25日 第2364号 <4面> |
WIN−Japan 青森でエネシンポ開催 川口元環境相招き原子力や放射線の業務に携わる女性達で組織されている「WIN―Japan」は、昨年12月9日、青森県の青森市文化会館で、「エネルギーの先進地・青森からの発信」をテーマとしたシンポジウムを開催(=写真)、約500名が参加した。 冒頭、後援の青森県の蝦名副知事挨拶の後、川口より子・元環境相が「あなたのエネルギー選択が温暖化を防ぐ」と題して基調講演を行った。川口氏は、京都議定書をめぐる国際交渉の舞台裏や米国で関心を集めた映画を紹介しながら、地球温暖化について起きている事を認識することが必要であり、認識するまで何もしなくて良いと言うことはなく、今のうちから対応をしなければならないと強調した。 また原子力は温暖化問題を解決するが、風力も太陽光もこれまで以上に導入してCO2排出量を抑えて行かなくてはならないと述べた。 続いてパネル討論では、パネリストにドミニク・ムイヨ氏(「WIN―France」会長)、内山千早氏(青森県代表のサラリーマンタレント)、東嶋和子氏(科学ジャーナリスト)、コーディネーターに「WIN―Japan」会長の小川順子氏が参加。 ムイヨ氏は川口氏の講演を聞いて次のように述べた。環境問題は集団、個人として責任を果たすべき重大なもの。なぜフランスはこれほど原子力に投資をするのか?それは安全であり環境に優しいからである。そしてCO2を排出もしない、経済性にも優れている。だからフランスは原子力で作られた電気を外国へ輸出している。廃棄物にしても他の産業から出てくる物に比較するとかなり低いとした。 内山氏は、青森県は四季がはっきりして冷暖房費がかかる土地である。家庭での省エネの秘訣は家族団らんにあると青森県名物の鍋「八戸せんべい汁」を紹介した。 また原子力について耳にする報道は悪いことばかりであるが、正しい情報を伝えて欲しいと述べた。 東嶋氏は、スウェーデン南部で、おがくずの利用や洋上風力発電等、地域の中で環境に努力しているカルマールという地域を紹介しながら、環境問題解決のために行動することは難しいこと。しかしより多くの人が賛同してくれれば問題解決の道は進展する。青森県はエネルギーの先進地である。青森県の皆さんにはカルマールのように環境とエネルギーの先進地になることを期待していると述べた。 また原子力に携わる人への注文として、対話の努力を惜しまないで欲しい、フランスではいろいろな対話を通じて理解活動が盛んに行われていると発言した。 さらに、原子力施設の建設に伴い、集まりつつある人・物・金を最大限有効に利用すべきであり青森県を環境首都にしてほしいと提言した。 WIN―Japan会員 猪狩典子(東京電力) |