[原子力産業新聞] 2007年2月1日 第2365号 <4面>

神奈川に重粒子線がん治療装置

神奈川県はこのほど、12〜13年度の完成を目指して整備する新しい県立がんセンターに、小型・普及タイプの重粒子線がん治療装置の導入を決めた。

普及型は放射線医学総合研究所が開発、群馬大学が09年度からの治療開始を目指し、実証機の建設に着手している。

新しい県立がんセンターは、現在の同センター(横浜市旭区中尾)の老朽化、患者数の増加、最新治療技術の導入などに対処する。総建設費は200〜250億円、病床数は現在と同じ450床だが、延床面積は現状の約3万3,000平方mから4万5,000平方m以上にする。

具体的な建設地は未定だが、現センターの近隣地区に建設の予定。民間事業者が施設を建設、施設完成後に公共に所有権を移転し、民間事業者が維持管理及び運営を行うBTO方式のPFI(民間資金活用による社会資本整備)を活用する。

神奈川県では05年3月に「がんへの挑戦・10か年戦略」を策定、拠点病院の整備とともに、県民運動として推進する組織「神奈川がん克服県民会議」や高度な治療実現のための民間組織「がん治療と患者・家族を支援する会」が発足した。

重粒子線がん治療装置も、同支援する会と連携しながら導入を検討してきた。


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