[原子力産業新聞] 2007年2月8日 第2366号 <2面>

ITER 日本とEU間で 幅広いアプローチに署名

国際熱核融合実験炉(ITER)計画に並行して補完的に取り組む「幅広いアプローチ」活動のための協力協定に日本政府とEUとが5日、都内で署名を行った。署名者は、日本側が麻生太郎・外務大臣(=写真右)、EU側がヒュー・リチャードソン駐日欧州委員会代表部大使。

麻生外務相は署名式に臨み、日欧のITER協力を通じ、「核融合をエネルギーとして利用することを目指す」として、本協定に基づく今後10年間の協力活動に期待をかけた。署名後、尾身幸次・財務大臣が挨拶に立ち、「ITERは人類のエネルギー・環境問題解決のカギとなる」などと述べ、日欧関係者一同が、祝杯をあげた。

この協定の下、@国際核融合材料照射施設工学実証・工学設計活動A国際核融合エネルギー研究センターBサテライトトカマク――の3プロジェクトが日本国内で進められる。

昨年11月、参加7極によるITER協定署名の翌日、日欧の「幅広いアプローチ」協定案仮署名がブリュッセルで行われた。今回の正式署名を受け、ITER協定と合わせ、今国会での承認を得る運びだ。現時点で、ITER協定はわが国の他、インド、ロシアが未批准となっている。


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